今回は、上水道設備 その4からお話させていただきます。
- 公共水道設備
- 枝管・止水栓
- 親メーター
- 受水槽・ポンプ・高架水槽
- 各区分所有建物子メーター
- 各専有部内
上水道は、公共水道管→枝管・止水栓→親メーター→受水槽・ポンプ・高架水槽→各区分所有建物子メーター→各専有部分内に入ります。
4.受水槽・ポンプ・高架水槽
受水槽の続きから
▪受水槽は何で出来ているか
コンクリート仕上げ・・・古いマンションでコンクリ―トで出来ている受水槽をたまに見ます。
FRP現場組立・・・ほとんどがFRP製の受水槽ではないでしょうか。
SUS現場組立・・・最近は、ステンレスで出来ている受水槽も見受ける事があります。
▪FRP製受水槽の寿命
言われているのは、約20~25年、この周期だと2回目の大規模修繕近くでは、交換しなくてはいけない事になります。
私自身の経験でしかお話できませんが、25年で交換するには少し早い様に感じます。
十分なメンテナンスしての話ですが、FRPであれば、「外部の塗装を塗りなおす」「ボルトの錆びを除去する」等、長持ちさせる為の作業があれば少し長く使用できるのではないでしょうか。
水漏れの場合、接続部分のパッキンから水漏れする場合があります。水漏れしてもあまりパッキンの交換(交換の際にパネルを外す必要がある為に)はしません。 内部の継ぎ目の上から補修したりします。
▪停電になった場合
停電より、給水ポンプが止まる事で断水になります。
電気が止まっても、給水ポンプに行くまでは水道局から供給(自治体の水道管が破裂していなければが前提)はされています。
親メーターから受水槽に入るまでに蛇口が一つあれば、停電状態が長引いてもトイレに貯める水を確保する事もできますし、飲み水として利用もできます。
管理者の方は、受水槽を使用していても、無くても、マンションの場合、受水槽(受水槽が無い場合には、給水ポンプまでに)に入る前に蛇口が付いているかの確認はして下さい。
万が一の場合、有るか無いかで、違いますのでご注意下さい。
▪受水槽の将来
各自治体は、受水槽を無くす方向で案内を始めています。
30階程度のマンションであれば、ブースターポンプを使用すれば受水槽無しで供給できます(名古屋市上下水道)。
給水ポンプの性能が良くなった事もあり、受水槽無しで直接水道管から供給する、直結増圧ポンプ方式での供給が望ましい事で、受水槽を無くす様に案内する自治体が増えて来ています。
水道を供給する側から考えると、各個人に供給するまで、各自治体が管理しない設備を通すと、管理できる所はいいのですが、管理出来ない状態に陥っている所の供給をどうするか。が問題となり、受水槽が無い方が一般住宅と同様の条件でフレッシュな水道が供給できる事もあり進めているのではないでしょうか。
■受水槽を無くすメリット・デメリット
メリット
水道局の水道をそのまま利用できるのでフレッシュである。
メンテナンス費用の軽減。
補助金が使える場合がある。(※各自治体に問い合わせて下さい。)
受水槽のあった場所の利用が出来る。(受水槽の場所によって変わります。)
※建物を建てる場合は、建築基準法の建ぺい・容積率により、建築違反になる場合があるので注意を(専門家に任せましょう)。
デメリット
費用が高い。
停電の際はすぐに止まる。※低層階は直圧で水道が出る場合があります。
将来的に、受水槽を撤去して直接ポンプを設置した方がメリットをあるのであれば、受水槽の撤去を考えて行く方がいいのではないのでしょうか。
じっくり数年を掛かけて
検討していく必要があります。
タイミングとしては、受水槽を交換しないと行けなくなる時期、2~3回目(2回目大規模修繕24~30年目安、3回目大規模修繕36~40年目安)の大規模修繕時期にするか。別で考えるか。
どの様に改修すれば、スムーズに、また負担が軽く済むかを考えていけばよいのではないでしょうか。
次回の水曜日は、上水道設備 その5から進めて行きます。