今回は、区分所有法 第10条(区分所有権売渡請求権)から進めて行きます。

(区分所有権売渡請求権)
第十条 ①敷地利用権を有しない区分所有者があるときは、その専有部分の収去を請求する②権利を有する者は、その区分所有者に対し、区分所有権を③時価で売り渡すべきことを④請求することができる。


①敷地利用権を有しない区分所有者があるとき

これから出てくる第22条に、

第三節 敷地利用権
(分離処分の禁止)
第二十二条 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない
2 前項本文の場合において、区分所有者が数個の専有部分を所有するときは、各専有部分に係る敷地利用権の割合は、第十四条第一項から第三項までに定める割合による。ただし、規約でこの割合と異なる割合が定められているときは、その割合による。
3 前二項の規定は、建物の専有部分の全部を所有する者の敷地利用権が単独で有する所有権その他の権利である場合に準用する。

とあり、基本、土地と建物を別に処分出来ない事となります(規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。)。
近年のマンション等は、区分所有法(公布日 昭和37年4月4日)を基準に運用されているので、「敷地利用権を有しない区分所有者があるときは」は少ないのではないでしょうか。

=敷地利用権ノミを売却、抵当権の設定は出来ない(規約に別段の定めがあるときは、この限りではない)。事になります。


②請求する権利を有する者

=共用部分を使用する権利がある区分所有者、管理者となります。


③時価で売り渡すべき

時価とは、過去の売買金額を基本に、合理的に算出された金額を決められる金額です。

根拠を示す価格となるので、不動産鑑定士に評価をお願いした方が良いです。


④請求

請求とあるので、あくまでも売却してもらう事をお願いする事(お願いして売却されれば問題なし)であり、売却しなければ裁判所で判断する事となります。

相手方に提示すれば「時価」でもめる事があり、中々解決に至らない場合が出てきます。

裁判であれば、客観的な調査による判定され、裁判所が中立な金額を定める事から、裁判制度を利用するのが妥当ではないでしょうか。

請求は、「口頭でも成立するのか。」ですが、

書面での請求と書いていないので、口頭でもOKとなりますが、近年の証拠主義に照らし合わせると、書面で請求する事で証拠が残ります。

内容証明郵便は、相手に出した謄本が閲覧できる書面なので利用されては(内容証明郵便は5年間の保存期間)どうでしょうか。

 


次回は、第11条(共用部分の共有関係)から進めていきます。