次回は、第29条(区分所有者の責任等) その2から進めていきます。

建物の区分所有等に関する法律

(区分所有者の責任等)
第二十九条 ①管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき区分所有者がその責めに任ずべき割合は、②第十四条に定める割合と同一の割合とする。ただし、③規約で建物並びにその敷地及び附属施設の管理に要する経費につき負担の割合が定められているときは、その割合による。
2 前項の行為により④第三者が区分所有者に対して有する債権は⑤その特定承継人に対しても行うことができる。


④第三者が区分所有者に対して有する債権は

管理者=規約・集会の決議により委任契約となり、管理者の行った行為は全区分所有者が契約した事と同じとなるので、全区分所有者の責任となります。
その割合については、規約に定めがあればその通りに、定めがなければ、各専有床面積(一部共用部分があれば、その割合を専用床面積に算入する。)/総専用床面積(一部共用部分があれば、専用床面積に算入する。)の割合となります。

第二十六条(権限)
3 管理者の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

第三者が損害を講じた場合、管理者に責任があってもなかっても、第三者が善意で被害が確定されれば、管理者が責任を負い、各区分所有者は専有部分の面積に応じて債権を負う責任があります。
管理者は、規約・集会の決議で委任契約され、一定の管理行為を委任する事から、管理者の行為=区分所有者の行為となる事から、第三者が善意と認定されれば、各区分所有者が支払うこととなります。
管理者を選ぶ事は、マンション一部の決定権を委任する事となるので、善意の人はいいですが、悪意のある人を就任させると問題が発生する場合があります。


⑤その特定承継人に対しても行うことができる。

特定承継人としか明記していませんが、包括承継人に対しても、特定承継人に対しても同様と言う事です。

特定承継
相続・合弁会社の合弁存続会社以外の、所有権を所得した者。(売買・交換・贈与等)

包括承継

相続(人)・合弁会社の合弁存続会社。(法律により決められている相続・合弁会社の合弁存続会社)

条文の「も」が大切で、早く読むと,「も」がを頭に入らず、思わず勘違いをする事となるのでご注意下さい。

「第三者に対してある債務は、包括承継人には当然に債務を引き継ぎますが、特定承継人に対しても継承させる。」となります。


次回は、第五節 規約及び集会 第30条(規約事項)から進めて行きます。