今回は、区分所有法 第6条(区分所有者の権利義務等)その3 から進めて行きます。

(区分所有者の権利義務等)その3
第六条 区分所有者は、①建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の④共同の利益に反する行為をしてはならない。
2 区分所有者は、その⑤専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため⑥必要な範囲内において、⑦他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、⑧その償金を支払わなければならない。
3 第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の⑨占有者(以下「占有者」という。)に準用する。

⑨占有者とは、
自己のためにする意思を持って物を所有すること。今一ピンときませんね。

所有はしていないが 専有部分を使用・収益できる者

占有者=「区分所有者と同居している者等」、「区分所有者から契約によって使用・収益出来る者」、「勝手に居座る者」。

この3つではないでしょうか。

 


⒈ 区分所有者と同居している者等

書く事もないですが、区分所有者の家族(専有部補助者)、同居している者、鍵を渡している者(区分所有者が許可しなくても入れる者)。

 


⒉契約により占有者となるもの

 

使用貸借(民法593条)

当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。

 

賃貸借(民法601条)

当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。

 

条文にも契約返還と言う文字が入っています。

 


所有者となる契約(区分所有者)

 

贈与(民法549条)

当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。

 

売買(民法555条)

当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

 

交換(民法586条)

当事者が互いに金銭の所有権以外の財産権を移転することを約することによって、その効力を生ずる。

 

移転・相手方に与える=所有権の移転


その他の契約

 

消費貸借(民法587条)

当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。

雇用(民法623条)

当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。

 

請負(民法632条)

当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

 

委任(民法643条)

当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

 

信託(民法657条)

当事者の一方がある物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

 

組合(民法667条)

各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって。その効力を生ずる。

 

終身定期金(民法689条)

当事者の一方が、自己、相手方又は第三者の死亡に至るまで、定期に金銭その他の物を相手方又は第三者に給付することを約することによって、その効力を生ずる

 

和解(民法695条)

当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。

 


⒊ 勝手に居座る者

競売の買受人に対して金銭を要求する為に専有部を占拠している者。

いやがらせの為に専有部分を占拠している者。

理由もなく占拠する者。

 

外見上は分かりません。

 

強制執行に立ち会った経験もありますが、

個人的な感想ですが、執行官と業者の方が、見た目にも、根性の座り方も一枚上ですね。

「どっちがどっちですか?」と言う感じです。一般の人では難しい仕事かもしれません。刑事も同様かもしれませんね。

 


区分所有者同様に

建物の保存に有害な行為、その他建物の管理又は使用に関し、区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。

専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない。

と言う事になります。

 


次回は、第7条(先取特権)から進めて行きたいと思います。