今回は、大規模修繕工事 その1から進めて行きます。

第一に考えていただきたい事

躯体(コンクリート・鉄骨・木造)を守る事が第一順位となります。

躯体に水・油・二酸化炭素(鉄筋コンクリート)等に触れない様に、考えなければいけません。

簡単にいえば、車にワックスを塗るのと同じで、コンクリート躯体の場合、躯体部分に仕上げ材を付ける事でコンクリートを守る事です。

その為に、塗装を塗り替えたり、床仕上げ材を交換したり、悪いタイルを張り替えたりします。

 

コンクリート躯体の場合、何もなくてもコンクリート部分に細かいヒビ割れ(ヘアークラック)が発生します。

クラックがあった場合、塗装であれば追従して表面にクラック(塗料が微弾性の場合はある程度までは追従しますが)が入ります。

その状態を放置すると、内部の鉄筋に水分等が当たり鉄筋が錆て、周辺コンクリートが爆裂する事でコンクリート片が落ちる事があるので、その様にならない様に大規模修繕をするとお考え下さい。※主要構造部分が守られている事。末端部分であれば、爆裂しても大きな問題にはなりませんが。

コンクリート躯体は、綺麗な状態で保たれば、100年持つと言う学者もいます。

税金方面から考えると、 減価償却として、鉄筋コンクリートで47年、鉄骨の場合で19・27・34年(鉄骨の種類により変わる)、木造で22年です。

その年数を超えて建物が存在すれば、税法上の償却期間を超える事となるので、お得(言葉が適切かどうかわかりませんが)とも言えます。

大規模修繕は、ある程度決まった期間で、建物の寿命を伸ばす事を目的に修繕をしていきます。

建物は、立地条件・大きさ・形・居住状況によって変わってきます。

 

よく見る

一番大切な作業です。管理者(入居者)、業者等で一緒に現地を確認をする事が大切です。

工事をするマンションをよく見る、悪い部分を把握する、今までに何を修繕したか、が一番大切になってきます。

住んでいる皆さんが一番マンションに生活され、良い所、悪い所を知っておられると思います。

+業者の診断により、悪い場所が何処であると提示されるので、どの様に進めるか、修繕時期は何時工事をするか。金額は。建て替え時期は何時か(一・二回目の大規模修繕ではわからない)。と決めるには沢山あります。

また、修繕積立金を積み立てていると思いますが、第1回目の大規模修繕時で大まかに、2回目、2回目までに修繕しないといけない箇所等が分かりますので、金額に信ぴょう性が出てきます。

大規模修繕後に修繕積立金を値上げしなければいけないのか、計画時点で値上げするのか、その間で値上げをするのか、工事後に値上げを考えるか。を選択しなければいけません。

国土交通省は、修繕積立金の方式を、均等積立金方式で、5年毎で見直し、必要があれば、修繕積立金を段階的(今後 値上げ率の上限金額が決められる事になるかもしれません 約1.8倍)に上げる事が可能である。となっています。

しかし、各マンションでは、徴収方法も違う事や、詳細を確認しなければ修繕積立金が適切かどうかも、マンションによって変わります。

 

次回は、大規模修繕工事 その2から進めて行きます。