今回は、区分所有法 第6条(区分所有者の権利義務等)その1 から進めて行きます。
(区分所有者の権利義務等)その1
第六条 区分所有者は、①建物の保存に②有害な行為その他③建物の管理又は使用に関し区分所有者の④共同の利益に反する行為をしてはならない。
2 区分所有者は、その⑤専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため⑥必要な範囲内において、⑦他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、⑧その償金を支払わなければならない。
3 第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の⑨占有者(以下「占有者」という。)に準用する。
①建物の保存に
建物をそのままに保つこと
したがって、コンクリート躯体に釘を打つ、削る、穴を空ける行為は出来ません。
エアコンを取り付ける際に、「バルコニー側壁面にエアコン配管を隠す為に化粧カバーを設置する際には穴を空ける。」のは問題は無いのか。と言う事はありますが、(入居後、約3か月~6ヶ月が経過しないと管理組合が設立されない為、分譲会社、管理会社にお問合わせ下さい。)
そのままに保つと言う事から、躯体部分を傷つける行為は禁止行為となります。
②有害な行為その他
建物に悪い結果や影響を及ぼすこと
建物をそのままにたもつ事が出来なければ、有害な行為に該当します。
③建物の管理又は使用
(例)バルコニー側の管理又は使用について
バルコニーは専用使用権がついた共用部分となるので(昔のマンションはバルコニ―が専有部分になっている場合あり)、居住者が管理する必要があります。
管理とは、管理規約、使用細則などから外れないよう、バルコニー全体を保つこと。
管理
- 避難経路の確保・・・最初に確認しないといけない事。
- 排水溝の清掃・・・ご自身のバルコニーに排水溝がある場合は清掃をして下さい(2戸でバルコニー排水溝が一つしかなく、1戸の住宅にしか排水溝がない場合あり)。排水溝を清掃しない事で詰まり、雨水が下階に漏れ、損害があれば賠償しないといけない判例もあるので注意して下さい。
- 日常の清掃・・・廊下側であれば清掃員、管理員が清掃しますが、バルコニー側はご自身で清掃しなくてはいけません。
※異常(手すりがグラグラする。タイルが剥がれた。壁面にクラックがある。等)があれば、管理組合に報告して、直してもらいましょう。
使用
- 通常の使用・・・洗濯物を干したりする行為等。マンション管理規約、使用細則に沿って使用して下さい。
②共同の利益に反する行為
区分所有建物は、専有部分以外は共用部分となります。
共用部分は「私の共用部分だ」と言う事は無く、全てにおいて「全員の共有」となります。
したがって、専用使用権のあるバルコニーだからと言って、何をやってもいい事にはなりません。
各マンションの管理規約、使用細則に沿って使用すること。
その管理規約、使用細則に禁止事項に抵触する行為は違反行為となります。
「共同の利益に反する行為」は、判例を見ても数多くあり、誹謗中傷ビラからピロティ部分に壁を作るまで、幅広く多種多様なこと。
また、「共同の利益に反する行為ではない」と判断される事もあります。
「この行為はどうなのか」と言う事があれば、管理組合に報告して、管理組合がどの様な対処するかの確認をしましょう。
次回は第6条(区分所有者の権利義務等)その2から進めて行きたいと思います。