今回は、上水道設備 その2からお話させていただきます。
- 公共水道設備
- 枝管・止水栓
- 親メーター
- 受水槽・ポンプ・高架水槽
- 各区分所有建物子メーター
- 各専有部内
上水道設備 その1は、こちらから。
上水道は、公共水道管→枝管・止水栓→親メーター→受水槽・ポンプ・高架水槽→各区分所有建物子メーター→各専有部分内に入ります。
4.受水槽・ポンプ・高架水槽
受水槽
水道水を貯めるタンク。
FRP製で、現場で組み合わせ作成することで、大型の受水槽も作れます。
最近はSUS(ステンレス仕上げ)で作られている物もあります。
水道水供給方式(受水槽有り)
高置水槽方式・・・受水槽を設置。プラス屋上に高架水槽(近年は使用されなくなってきている)を設置し、各住戸に供給する方式。
加圧給水方式・・・受水槽からポンプの圧力ノミで、各住戸まで圧力をかける方式。
近年は、受水槽無しでポンプで増圧した水道水を供給している場合があります。
(受水槽無し)
直結直圧方式・・・市町村から供給されている圧力のまま各戸まで供給する方式。低層のマンションに限られる。
直結増圧方式・・・市町村からの供給圧力プラス、増圧ポンプユニットにて圧力をかけ、各住戸に供給する方式。
があります。
また、超高層マンション等に給水する場合は、間に中間水槽(現在のポンプでは凡そ75メートル程度 16階程度)が入り、再度上階の中間水槽か、高置水槽に水道水を供給します。
敷地内の外部に四角い大きな箱が設置している場合や、建物内に入っている場合と、さまざまな場所にある受水槽。
衛生的(水道法)に、水を貯める為しっかり(建築基準法)していないとダメである。
設置後の決まり事として、
▪ 年1回の清掃義務付け(容量10㎥を超える)
よく「清掃の為、断水します。」と案内されれば、「受水槽を清掃しているんだな。」と思って下さい。
市町村から入る水道水に錆、水垢等が混ざり、受水槽の底に錆・水垢等が沈殿する為に清掃します。
と言う事は、直接市町村から流れる一般住宅等は、錆、水垢等がそのまま流れこむ可能性がある事となります。
年一度の清掃をしなければ罰金対象となるので注意が必要です。
※10㎥未満でも、各自治体の条例等により決められている場合があります。
受水槽が「ある方が衛生的。」「無い方が衛生的。」どちでしょうか。
道中の配管にもより変わり、いちがいにどちらが良いとは断言出来ません。
直接、市町村の水道管より供給される方は、人為的ミスが少なく供給できるメリットがありますが、市町村から供給される管のゴミも直接流れてきます。
一方、受水槽方式の場合、一般の水道水が水槽に入ることで、不純物が下部にたまり、汚れの少ない水道水(溜まっている水道水の真ん中付近の水道水)が飲める事が期待されますが、受水槽から各住戸に行くまでには、専用配管を通して供給される為、スケール(水垢の一種)等が配管内部に付着する事で汚れが発生する場合があります。
※受水槽が無くても同様にスケールが付着する場合があります。
また、劣化が進むと部品を交換しなけばいけないと言う事にもなりかねません。=費用が掛かる。
受水槽の清掃や、断水した後、しばらく水を出して下さい。と案内される場合があります。
配管のスケール等が落ち着くまで待って使用してほしい為です。
それを踏まえると、最低限飲む水道には、浄水器を設置した方がいい事になります。
全体に綺麗な水道水をと思われる方は、子メーターを通った後に設置できるセントラル方式の商品もあるので検討を。
▪ 六面点検が容易に出来ること
上部 1,000㎜以上 側面・底面 600㎜以上のスペースが必要。
他の部分と併用しないこと
上部・下部・側面を容易に点検できる様に最低限の距離が決まっています。
その他に
▪ 受水槽内に飲料用配管以外の配管を設けないこと
▪ 水槽の上部にポンプ、空調機等を設けないこと
▪ 最下階の床下に設ける場合は、漏水検知器等を設けて通報すること
どちらかと言えば、建てる時に必要な内容となりますが、運用後も適切に運用される事が望まれます。
最下階の床下にある場合、湧水が溜まり、室内に侵入する場合があるので、一定の湧水が出た場合、排出するポンプや、ポンプが故障して排出できず、一定以上の水位にならない様に警報機を設置し、湧水と水道水が混合しない様にする設備が必要となります。
また、たまに受水槽関連の事故のニュースを見られた事はないでしょうか。
事故を防ぐのは難しいかもしれませんが、点検をして、「点検している姿を見せる。」「早く発見する。」事が一番大切ではないでしょうか。
管理員が常駐していれば、毎日、1~3回(朝・昼・夕方)マンションを巡回していると思いますが、点検時に「受水槽の蓋に鍵が掛かっているか。」「受水槽上面に穴が開いていないか。」「水漏れは確認できないか。」等、点検が必要ではないでしょうか。
室内に設置の場合は、受水槽室に鍵が設置されていると思うので、あまり神経質になる事ではないと思いますが、外部の場合、入口に鍵が掛かっていても、入ろうと思えば入れるので、毎日巡回する事が大切です。
点検すれば、住民から言われるまでもなく、目視できる書類等を掲示板等に貼り、報告をする方が良いのではないでしょうか。
次回の水曜日は、上水道設備 その3 から進めて行きます。