今回もフローリング材(その2)から進めて行きます。
仕上げ材
- フローリング材
- クロス材
- 各所枠関係
- カーテンレール取付について
- 和室畳
フローリング材(その2)
◆各マンションでお客様のお声が上がるのが、
◇音鳴りがする
◇フローリングが波打ちしている
この2点ではないでしょうか。
音鳴りがする
フローリングにはサネと言うものがあり、凸と凹で組み合わせて、底面をボンドで固定しています。
フローリングのサネ同士がこすれる事で音鳴りする場合があります。
マンションのフローリングは消音性能(クッション材)があるため、少しクッション性があるので、踏むとその部分が少し下がる為にフローリングのサネ同士がこすれる音がなります。
軽減策(一度音鳴りが無くなっても再発する場合がある)
軽減策としては、専用のスムーサー(潤滑油みたいなもの)があり、それを射すと音鳴りが軽減さる場合があります。
気になる部分に目薬みたいに、「ポトポト」と入れる感じです。※潤油が滑切れて再度音鳴りする場合もあります。
フローリングの音鳴りは、時間がたつと共に、気にならなくはなってきますが(電車横の物件と同じく、日常に電車の音を聞いていると気にならなくなるのと同じ)、潤滑油はあった方がいいですね。新築ですと施工会社(業者)が持ってますので、少し分けてもらか、それほど高くないので、ネット等で注文して下さい。
フローリングが波打ちしている
こちらの場合は、施工に問題がある場合や、室内の湿気が多いとなる場合があります。
〈施工に問題がある場〉
フローリングはジョイント部分を、薄い段ボール等(薄い0.5㎜程度)を挟み施工します。
スペースを開けて施工しないと、フローリングが湿気を含み伸びて波打ちする事がある為です。
〈生活環境によるフローリングの波打〉
特にガスファンヒーターをお使いの方は注意してください。
ガスは湿気を多く含み、ガスファンヒーターの温風を長時間あてると、フローリング自身が水分を含んで、ふくれる事があります。
どうしてもガスファンヒーターがいい方は、ブロックを3~4個横に並べて(ガスファンヒーターの面積より大きいブロックの面積)、上にガスファンヒーターを乗せて使用して下さい(床は十分に養生を)。
ガスファンヒーターは温風の出口が床に近い場所にあるので、少し上に上げる事で軽減されます。
軽い物(不安定なもの)や燃えやすい物はファンヒーターの下に置くのは絶対にしないで下さい。
転倒防止の観点から言うと、ガスファンヒーターはやめて、エアコンで暖房をしていただきたいです。
また、水をこぼしたりして、長い時間ふき取りをしないと水分がフローリングの中に入り、膨れる現象が起きるので、こぼれた時はすぐふき取って下さい。
この現象を利用して、和室の造作材が凹んだ時に、水を含ませ膨張させる事もあります。
波打つ時期
冬場(暖房を使用し始めてから)、梅雨(5~7月)頃が波打つ時期で、それ以外はだんだんマシ(表現が難しいですが、波打ちが気にならなくなる場合もあります。)になって来たりします。
暖房を使用する季節、梅雨時は気にかけておいて下さい。
補修方法
クローリングの短辺の方向をアクリルカッターで少し削り(約0.5㎜程度)、ローラーで伸ばす事で、全体的に数ミリ短くしていく方法。
フローリング材料を扱う会社に、専門の修繕屋さんがいます。
なぜメーカーに修繕屋がいるのかは不思議(最初からその様になる事が見込まれている?)に思いますが、専用の職人がいます。
※個人でカッターで筋を入れるくらいなら大丈夫と言って、深くカッターを入れないで下さい。床暖のお湯が入る場所までカットされた方や、カッターを入れる際に横のフローリングまで傷付ける事がおられますので、プロに任した方がいいとは思います。
フローリングはサネの上部と、サネの下部の寸法が若干サネ上部の方が大きくなっているので、当たっている部分はサネ上部だけになるので、厚み5~6㎜程度です。
くれぐれもフローリング全体を切らない様(サネまで切らない)にして下さい。
フローリングの波打ちは、1・2年で出るのは珍しく、大体3~10年程度で出てくるのが経験上の肌感覚です。
ひどい時は、けつまずく位(リビングドア下ですと扉が開ききらない)までフローリングが盛り上がる事もあります。
生活環境の違いによる室内温度差
こちらはどうしようもない事ですが、冬の暖房を使用する温度にもよります。
ある方は、「冬の室内はTシャツ1枚で過ごせないといけないと暖房ではない」と言われる方や、暖房をほとんど使用されず、着る物で調整される方もいます。
育ってきた環境により冬の過ごし方も大きく変わります。
フローリングにあまり良くないのが、暖房+湿気です。
暖房は乾燥するからと言って、加湿器を多用するのはフローリングからの観点では厳しい選択です。
波打つ箇所
波打つ箇所には特徴があります。
①玄関、廊下、リビングまでフローリングが続いているもの。 リビングの扉を開けると玄関からバルコニーまでが一直線になって見える物。
②フローリングの一番両サイドの短辺が突きつけ、「玄関見切り材に突きつけ、リビングサッシ下に付きつけ」されている場合や、「和室敷居に突きつけ、リビングサッシ下仕上げ材に突きつけ」等など。
①の場合、リビングサッシ下で一度見切り材を入れて軽減されている場合もありますが。
※巾木施工している箇所は壁とフローリングに隙間を入れる為、膨張しても隙間で逃げられる為、あまり膨れる事はありません。
フローリング1枚の伸びは非常に少ない物ですが、数十枚縦に並べると、バルコニー下仕上げ材から玄関見切り材までの寸法(和室・リビングサッシ下も同様)より大きくなるのと、フローリング下に消音材(クッション)が伸びる為に起こる、マンション特有の症状です。
フローリングの話が思った以上に長くなりますが、次回はフローリング材(その3)から進めて行きたいと思います。