前回はキッチンの混合水栓のお話をさせていただきましたが、 今回はキッチンの排水からです。

街並み

今回は下記の通り進めて行きたいと思います。

 

  1. キッチン排水管について
  2. 点検時期
  3. 点検方法
  4. 水漏れが確認されたら
  5. 給水か?排水か?
  6. 確認方法
  7. 水漏れ後の影響

 

1 キッチン排水管について

キッチンの排水はどの様になっているかと言うと、 まず、マンションには各階を縦につらぬく、縦管と呼ばれる排水管が設置されています。  

その縦管に向かって、キッチン排水(雑排水)が接続されています。 

まず縦管ですが、各階を貫く形となっていますので、お宅の上から下に配管が貫通しています。 

キッチン・洗面台・お風呂・洗濯パン(雑排水)・トイレ(汚水)・バルコニー(雨水)など、雑排水、汚水、雨水配管として配管が別になっています。

キッチンの排水が単独の雑排水縦管がある場合もあれば、キッチン・洗面台・お風呂・洗濯パンまでが一つになっている場合もあります。

パンフレット等で部屋の平面図を見ていただけると理解しやすいです。 

必然的にキッチン横(左右どりらか)、周辺に壁面があります。点検口がついているお部屋もあります。 

横引き管は縦管に向かって勾配をつけ排水されています(勾配については、配管の大きさにより、勾配のつけ方も決まっています)。

キッチン配管断面図イメージ

 

 

2 点検時期 

点検時期に関しては、入居してから3か月~1年程度に一度確認(新築の場合はアフターメンテナンス等で業者が見る場合あり)。 

その後の点検は1年に一度程度の点検で問題はないと思います。地震等の災害があった場合には見た方がいいかもしれません。

 

 

 3 点検方法(配管にもたれ掛けたり、負荷をかけない様にして下さい) 

①キッチンの水を流す 

朝ご飯後か、お昼ご飯後の洗い物をした5分~30分位あとで点検すれば、余計な水を使わずにすみます。

(水漏れが確認された場合、朝かお昼に確認する事で、管理会社、業者に連絡が付きやすく、早く動けば早く解決できる場合がある為。) 

 

 ②シンク下の物入奥のパネルを外す 

簡単に引っぱるだけでとれるプラスチック製の止め具、ビス等で閉めてあるあり、簡単に外せます。

 

 ③開けると竹炭等が入っている場合があります。 入っていれば一度取り除き、点検が終われば戻して下さい。

 

 スマホ等の写真機能で写真を撮る

頭が入れば直接見た方がいいかもしれませんが、キッチン横引き管が壁に向かって横に伸びていますでので、その下のコンクリートスラブ(床上げされてある場合はコンパネ等、木で出来ている場合があります)が濡れていないかをスマホの写真を撮って確認して下さい。 

コンクリート(コンパネ等)は濡れると濃い色になり、乾いていると白っぽく分かりやすと思います。 

コンクリートが黒くなっていれば、指で触れるか、届かない場合などは、メジャー(寸法を測るもの)や、クリーニングのハンガーを伸ばし(ハンガーを切る際は手を切るので気を付けて下さい)先端にティッシュペーパーや水が濡れればわかるもを貼り付け、確認をして下さい。 

 

元に戻す。 

 

 

4 水漏れが確認されたら 

・住戸用パイプスペース(PS)、メーターボックス(MB)内の水道メーター横にある元栓を閉める

・漏れている箇所の水分をふき取り 管理会社に連絡する

まず最初にしてほしいことは、PS,MB内(同じもの 呼び名が違うだけ)にある水道メーターの元栓を閉めて下さい。

また、水分をふき取って下さい。配管が多くて難しい場合は結構です。

居住者さんで給水管の漏れか、排水管の漏れかをどりらが水漏れするのは難しいですので管理会社に連絡して下さい。

下階に水が漏れていないか、設備業者はいるのか、建設会社に連絡してもらえるのか等、管理会社はある程度、室内の水漏れを経験していますので、管理会社に連絡した方が早いです。

 

 

5 給水か?排水か?

万が一、水漏れが確認されれば原因が給水管か、排水管か、わからない場合があります。

調査として、業者が再度水を流しますので、ご協力をお願いします。

判断方法ですが、時間がたって、コンクリートスラブが乾燥状態に戻る場合は、排水(シンクを使わなければ漏れない、あまり水分が多いと乾燥しないですが。)です。

 

6 確認方法

業者にて作業する場合は、業者に任せて下さい。見守れる様であれば見ておいて下さい。業者は嫌がると思いますが。

時間がたっても水分が無くならない、または増える等、多くの場合は給水が考えられます。

パイプスペース(PS)、メーターボックス(MB)同じものですが、扉を開け内部に水道メーターを水道を使用できる状態にしてから、水道メーターが廻ってないかを確認します。

水道メーターにはアナログ式、デジタル式があり、確認方法として、アナログの場合中央位に、角形のシルバーで出来ている部品が時計廻りにゆっくり動きます。

また、デジタルメーターであれば、数値が動いていきます。非常にわかりにくいので、数値を記入か写真をとり、また30分後に比較して下ださい。

調査の段階で壁面(キッチン裏)を解体する場合があります。業者単独では判断はしませんので、必ずお客様にお声がかかりますので、判断していただければと思います。

 

水道を使用しないでメーターが動く場合は、給水の水漏れが考えられます。通常、住戸内に入る給水管には0.1Mpa~0.15Mpa程度まで減圧されいますが、圧力がかかっています。

この数字がどの程度かわかりませんよね?水道、電気、ガス等の表記は難しいので、覚える必要はないと思います。

蛇口より水道が出るのは、圧力がかかっているからです。使用している時は、勢いよく水道メーターがグルグルグルーて廻ります。

水が止まっている状態が一番配管に圧力がかかっています。水道メーターはビタッと止まります。

また、ウォーターハンマー(水栓を閉めた時に、「ガコーン」と音がなる場合がある事)にならない様に、流速1.5m/s~2.0m/s以下で減圧弁で調整されています。

 

近年のキッチンでは、食洗器が設置(給水も排水もあり)されている場合があるので、どこから水漏れしているのかが分からない場合があるので、水気を確認できればすぐに管理会社か、設備業者か、建設会社に連絡して下さい。

 

給水か排水かわからない場合、業者が水道管内の水を止め、空気による圧力点検を実施し、圧力が維持される点検(圧力が低下すると言うことは、何処かで水漏れをおこしている)を実施する場合があります。

その際は住戸内の水道、給湯設備は使えません。

水道を止めた時のお手洗い等は、マンション共用施設に共用トイレがあれば、使用させてもらって下さい(管理員が常駐している場合は、事情を説明して下さい)。

もう一つの方法として、水道を止める前にお風呂に水をはり(残り湯でもOK)、桶、バケツでトイレタンク内に水を貯める事も有効です(トイレがタンクレスの場合、直接便器内に水を入れて流す。メーカーホームページか取扱説明書をお読み下さい)。

 

新築時には、建設会社で給水であれば、圧力点検、排水であれば、水漏点検を必ずしていますので、水漏れを起こす頻度としてはかなり少ないですが、完璧ではないです。

 入居してから給水接続が外れる事例もあります。

 

 

7 水漏れ後の影響

水漏れが確認され、修繕出来たら、下階への影響、ご自身の室内仕上げ材への影響が考えられます。

水漏れが確認されて、修繕後は、下階の仕上げ材、ご自身の仕上げ材等、最低2週間(1か月は見ていただきたい)は現状のまま放置させ乾燥させる方が良いです。必要であればサーキュレーター(扇風機)等で強制的に風を送り、乾燥させる事をお薦めします。キッチン台はパーティクルボードの芯材(木の破片を固めた心材を使用している事が多いので、水分を吸って心材が膨張する。)を使用している事が多い為、膨張とカビが発生しシンク下箱ごと交換しないといけない場合もあります。

また、フローリング材(フローリング材でない場合もあります)にも浸透していないかの確認が必要です。目で見てもわかません。フローリングの水分含有量を調べる機器もありますが、実際は捲ってみないと分りません。

将来、フローリングが黒く(時間をおくとカビが発生し、フローリングが黒くなる場合がある)事を考えると張替た方がいいとは思いますが。

水漏れしてから時間がたっているか、すぐなのかにもよります。

張替にも部分張替、全面張替、この2択となりますが、これまた難しい選択です。

 

▢部分張替をする場合

・同じ部材があるかどうか。

・同じ部材があっても、紫外線により同じ物でも張替すると色が新しく張るものの色が濃い場合(紫外線により日焼けをする為、同じ商品でも色合いが違う場合あり)があります。

また、ロッド(同じ材料でも、木目が変わると仕上げの表情が違う場合がある)違いがある。

上記2つの問題が出てきます。

 

▢全面張替の場合

・張り替えるフローリングがマンションが認める消音性能があるか。

・リビング出入口ドア下部が見切り材で仕切られているか(仕切り材がないと廊下までフローリングが続いています)。

・キッチンの出入口の床は見切り材はあるか。

・全面張替の場合、家具、冷蔵庫等を移動しなくてはいけませんので、引越業者等が入り移動する必要がある。

・フローリングWAXをするか、しないか、また高級なWAXにするかどうか。

・床暖房の部材が壊れた場合(既存のフローリングをめくる際に一緒に捲れる等)、床暖房も取替が必要、お湯式、電気式、とありますので、注意が必要。

考えるだけでも大変ですし費用もかかります。

 

以上、水漏れが起こった場合、大変ご苦労があると思いますのでご注意下さい。注意しても水漏れが起こる場合があるで、

地震保険の特約、くれぐれも「水漏れ」と「水害」の違い、また「個人賠償特約」がありますので、ご契約の保険会社にお問合わせください。

マンション・団地水漏れ補償と言う保険もありますのでお調べ下さい。

 

フローリングの全面張替になると、引越業者(室内家具、冷蔵庫、食器棚等の移動)、工事中の部屋の確保、自宅に大勢の作業員が入る、ホコリ問題、ご近所さんの目、大変です。

特に、新しいフローリングに、冷蔵庫、食器棚、家具等の元の位置に戻す際は気を付けるようにして下さい。傷が付く事があります。

ご自身で移動するのではなく、引越業者等に任せて下さい。高額な費用がかかりますが、新築の引越が多いので慣れていますし、万が一、傷が付けば保険に加入していますで費用は捻出されます。

 

今回はここまでとさせて頂きます。

次回はキッチンその他のお話から。