今回は、エレベーター その1から進めていきます。

駆動方法

・ロープ式 ・・・機械室有り、機械室無し、巻胴式とあり、それぞれマンションの形状により方式が変わります。

・油圧式 ・・・油圧で下から突き上げ、上下しているエレベーター。最上階の高さのフランジャー(突き上げる棒みたいな物)が必要なため、機械室を設ける必要はないが、下部に最上階の高さのフランジャーが必要となります。

・リニアモーター式・・・500㎞のスピードが出るリニアモーター新幹線同様に、上下速度は決められた速度ですが、磁石を使用し上下に上げる駆動方式です。

ロープ式が一般的で、最上階に機械室を設置できるか、できない場合、EV室を大きくとれるか、によっても変わります。

分譲マンションでは、油圧式、リニアモーター式はあまり使用される事はあまりありません。

EV内部

EVが1台の場合、2~3台横並びになっている場合、うち一台は救急車に乗るストレッチャーが入る様に奥に空間が開いています。

普段は扉が閉まっていて、人が横になる程度の寸法はないですが、緊急時はストレッチャーが入る様に扉が空き、そこにストレッチャの足の部分を入れます。

障害者用ボタンがあり、特定のEVが止まる場合、そのEVはストレッチャーが入る様に出来ています。

ストレッチャーの一部が入る扉は、救急車の隊員は共通の鍵を持っており、開ける事ができます。

緊急の際に、マンション集合玄関も自動ドアを解除出来る様になっており、最短で救助活動が出来る様になっています。

かご内監視カメラ

かご内には、監視カメラが必ず付いています。管理員室等でモニターがある場合、写っています。

顔は映らないものの、何階で止まったか、人数は、分かる様になっています。

監視カメラは刑事事件が起こった場合、警察から提出する様に求められれば(捜査協力の場合は書類があるのでもらう)、理事で判断し、提出する場合もあります。

ただ、民事の場合、見せるのか見せないのかは各マンションの運営により変わります。

保存期間は、警備会社のPCハードディスク容量や、カメラ台数により変わりますが、5~10日程度が一般的ではないでしょうか。

かご内鏡

よく鏡が奥についていますが、なぜ鏡がついているのでしょう。人は無意識に鏡に向かって身だしなみをチェックする事が多い習性が為に鏡が付いていると思いがちですが、本来の目的は、各地域の条例で決まっている場合もありますが、車椅子で乗車時に回転が出来ないので下りる際、扉が開いているかの確認を前を向いたままで確認出来る為になっています。

従って、マンションにもよりますが、身障者EVは上半身に鏡(下はストレッヤーが入る扉になっている)がついていますが、通常EVには全身型や、ついていない物もあります。

ボタンの連打

「あっ、押す階間違えた。」場合、新しいEVは2~5回程度連打すれば間違って押した階をキャンセル出来るものもあります(EVキャンセルコマンドと言うらしい)。

管制運転

地震の場合

地震には、P波(初期微動)S波(本新震)の2つに分けられ、P波を検知して最寄りの階に自動的に止めるEVや、S波を検知し最寄りの階で自動的に停止します。

震度4以上を感知した場合、エレベータ―を止めます。

万が一、閉じ込められた場合は、ボタン押す上部にEVメンテナンス会社と通話機能があるスピーカーがあるので話して下さい。

復旧するには、エンジニアが安全を確保しなければ復旧出来ない物と、自動で復旧する物もあります。

停電時

EV内部のバッテリー又は建物内部のバッテリーで動かし、最寄りの階で停止する機能が付いています。

火災

ある住戸で火災警報器(火災が発生)が作動した時もEVが止まり使用出来なくなります。


次回はエレベーター その2から進めて行きます。