今回は、下水道設備 その1からお話させていただきます。

各区分所有建物の下水方法➡マンション全体の下水方法➡各自治体の排水方法

 

1.各区分所有建物の下水方法

2.ディスポーザー

3.24時間ゴミを出す事ができるマンション

4.配管内に空気の流れ

 


1.各区分所有建物の下水方法

三点排水

汚水系統・雑排水系統・雨水系統

 

■汚水系統(トイレ排水)

トイレ横(近く)に汚水専用縦配管があり、上下階につながって排水しています。

中間階でお住まいの方は、トイレに行くと、水の流れる音が聞こえたりするのはこの為です。

 

■雑排水系統(洗面台排水・洗濯機排水・お風呂排水・キッチン排水等)

洗濯機排水・洗面台・お風呂(三点を一つにまとめて排水している)・キッチンの排水(単独の排水)にあります。

 

■雨水系統(バルコニー排水)

言葉の通り雨を流す排水。バルコニー等の雨がかりのある場所の排水を下階へ流す排水管。

バルコニー等に排水溝があれば、梅雨時期の排水溝清掃(梅雨時だけで無く普段から、ゴミが溜まってないか、雨水が溜まってないか、確認して下さい。)はコマ目に行って下さい。

共用廊下側の排水溝は、管理員・清掃員にて清掃出来ますが、バルコニー側の排水溝清掃は、居住者各位で清掃する必要がある為、豪雨でバルコニーから雨水が室内に入り、下階に水漏れる事もあるので、清掃だけはコマ目に行って下さい。

マンションによっては、2住戸に1つしかバルコニーの排水溝が無い場合があり、バルコニーに排水溝が無いお宅もありますが、あれば必ず清掃だけはしておいて下さい。

豪雨があれば、あっと言う間にバルコニーに水が溜まります。

 

■排水方法

□分流式

汚水・雑排水・雨水を各単独の縦配管で1階まで流す方法。

 

□合流式

汚水+雑排水を一つにまとめて1階まで流す方法。

雨水を単独で流す。

 

汚水・雑排水・雨水を流すには、全部を一つにして流した方が良いのでは、とお思いでしょうが、排水管には匂いがつきものです。

汚水と雨水とを混ぜるとバルコニーで汚水の匂いがする事や、雨水に雑排水とを混合すると泡(洗剤)等が排水管より出てくる事になるので、汚水と雑排水は混じる場合もあるが、雨水は単独で1階まで流れています。

最終的に自治体の下水方法により変わりますが、敷地内で雨水と雑排水、雨水で排水されます。

 

 

 


2.ディスポーザー (国土交通省 ディスポーザー調査資料)

近年、台所排水に生ごみを粉砕して流せる、ディスポーザーの設置が新築マンションでも見かける様になりました。

生ごみを粉砕して排水管に流せるので便利ですが、専用の配管・排水処理層が必要(生物処理タイプ)な為に、専用の排水設備が無いマンションでは、ディスポーザーを取り付ける事はハードルが高いです。

設備の無いマンションで単独で設置(機械処理タイプ)しても、キッチンシンク下に専用の排水処理層が必要となり、生ごみを定期的に除去する必要があり、あまりメリットがあるとは言えません。

また、各自治体に設置を届ける必要があります(設置できない自治体もあり)。

東京都水道局

新築マンションにディスポーザー設備が付いて販売されていれば、専用の配管・排水処理層が設置されていますので改装時にディスポーザーを設置しても問題ありません。

ディスポーザーも硬い生ごみなどは粉砕しきれずに残ります。電気代がかかります。故障します。結構高い。完璧ではありません。

24時間ゴミ出し出来るマンションや、生ごみを肥料に活用できる生ごみ処理機(お住まいの自治体では、助成金を出してくれる所もあり。ご確認を。)などもあります。

 


次回の水曜日は、下水道設備 その2から進めて行きます。