◇コンクリート内部の水分

コンクリートは水を入れて固めます。
型枠にコンクリートを外し込み、型枠を外した瞬間が一番フレッシュな状態で、水分を含み、それ以後コンクリート内の水分が抜けて行きます。
新築に住みだしても、まだ鉄筋コンクリートに湿気が残っています。
24時間換気もあり、人体には感じにくくなってきていますが、鉄筋コンクリート内部には、まだ水分が残り、約2~6年でコンクリート内の余分な水分が上階から抜けて行きます。
入居後、特に1階に住居があり、あまり日当たりが良くない住宅では、冬場、玄関扉裏に結露が出る場合があります。

コンクリートから抜けた水分が室内に出てきます。共用廊下側の日当たりが良くない、共用廊下の角がFIXの場所では、湿気が溜まりカビが発生する場合もあります。


換気

鉄筋コンクリートから出る水分はどうしようもありません。
室内に出てきた水分は、24時間換気、湿気を吸う吐きする磁器タイルを使用し水分を逃がす、回収する事はできますが、コンクリートから出る水分の放出を止める事は出来ません。
時間が経過しなければ無くなりません。換気を良くして下さい。


毛細亀裂

鉄筋コンクリートには、毛細亀裂(髪の毛の太さ位の)が発生する事があります。
無い建物の方が少ないのかもしれません。施工、季節条件により変わり、毛細亀裂が出ない建物は少ないです。
学者さんがひび割れが出来ないコンクリートの開発研究していますが、まだ実用化されていません。
構造上に問題のあるひび割れは問題外ですが、毛細亀裂は起こります。窓等があり、平面、立面でも入角がある場合は、動く面が変わり入角の角部分から45度程度に毛細亀裂が発生する事があります(出角は起こりにくい)。
各住戸にもサッシ廻り、窓等、入角の部分も多くあります。
時間がたち毛細亀裂が発生するのではなく、入居後1年以内で出る場合もあります。建物に動きが有れば発生したりします。
水分が当たる部分(外壁等)は早めに補修した方が良いです。鉄筋コンクリート躯体の内部には鉄筋が入っており、その鉄筋に水分があたれば、鉄筋が錆びる事で鉄筋が膨張し、コンクリートを押し出す事があることから、水が入らない様に補修する事が求められます。


大規模修繕工事

一番の目的として、躯体を保護する為の工事だと言う事をご認識下さい。
綺麗にする事も目的の一つですが、躯体を覆っている仕上げ材を綺麗にする事で、躯体に水分を寄せ付けない事が第一です。
躯体は、取り換える訳には行きません。鉄筋コンクリートの場合、綺麗に保つと100年持つと言う学者もいます。100年持たなくても、なるべく長く躯体を綺麗に維持できれば、建て替えを延命(地域の都市計画の変更、建て替えによる規制緩和等、条件が良い場合は早めに建て替えした方が良い場所も存在します)できます。
12~15年程度で大規模修繕を継続して補修しますが、1回目(12~15年)で工事しなかった場所は、一年(半年)に一度程度は点検し、劣化の状況を把握する必要があります。


次回は、◇EV定期点検から進めて行きます。