今回は、襖 その2から進めて行きます。

■押し入れ襖
和室押し入れに使われる、一般的な引き戸の襖。
見える部分では、仕上げ材に和室襖紙を利用し、取手を丸、正方形の金物を付け、和室内で使用されます。
子供が遊ぶ道具として、開け閉めして、手あかで襖紙に手あかが付く場合もあります。
また、襖裏側には地味な色(個人的な感想)で押し入れ内部用の襖紙が利用されます。

構造
襖は、段ボールコア材に、襖紙を両面に貼り、四方に化粧木枠が付いて一枚の襖となります。
段ボールコア材は軽く、襖が簡単に引けるのは、物理的に軽く仕上がっています。

段ボールコア材を使用する事で、襖自身の強度は木製より少なく、上に貼る襖紙により簡単に反りが出たりします。
同じ襖紙を利用して貼るのであれば反りも少ないのですが、違う襖紙を貼るだけで反りやすくなる場合もあります。

敷居滑り
敷居の溝に襖の滑りをよくする、敷居滑りなる物があります。
ほとんどの住戸で使用(レールが埋め込んであれば戸車)されています。
ホームセンターにも販売されていますが、幅があり大体18㎜か21㎜幅です。
襖が滑りにくくなれば、敷居滑りを交換してもよいのではないでしょうか。
買いに行く際は、今の敷居滑りが何㎜の物を使用してから買いに行きましょう。

■間仕切り用襖
各部屋と目隠し仕切りと使用される襖。
和室に人がいない時は開け、人がいる時は襖を閉める形で使用していました(この様に使用されていない方もおられます。また、来客された時に「パッ」と和室に物を置き、襖を閉め物置みたいに使用される場合もあり)。
襖の仕上げは、「ここに和室がありますよ。」と主張しているような襖紙が使用されていて、構造は押し入れ襖と同様な仕様となっています。

襖が軽く開けられる様に、敷居滑りが使用され襖が軽く開けられます。

また、襖が反る事もあります。
反れがある場合、押し入れ襖同様、新聞紙を挟み、2~3日おけば、一旦直る場合があります。
しかし、しばらくすれば元に戻る場合もあります。

敷居の回でもお伝えしましたが、敷居のささくれは十分注意してください(レールが入っている場合はシート仕上げの場合があります)。
昔の人に「敷居を踏まない」と教えられたのは、この様な事があるからではないかと思います。
大人でも常時意識する事が難しい事なのに、子供はなおさら意識出来ません。
物理的に敷居に足が置けない様にしないといけないのではないでしょうか。

■戸襖
戸襖は木製で出来ており、重量が重く戸車が使用さる事により軽く引ける様になっています。
片面をリビング・洋室等のクロスで仕上げされ、和室内は和室襖紙を貼られている扉。
襖を使用するのは、和室から考えての仕上げ材となり、戸襖はリビングから考えての仕上げ材となり、
木製引き戸と同様になるので、襖より厚く頑丈に出来ています。
造作で作られた扉ですので、既製品を使う事は少なくなります。
畳もそうですが、襖・戸襖も現地に出向き、寸法を測り作成し、納品時に扉を調整して納品します。

戸車
戸襖にも下部に戸車を使用し、レールを上を転がります。
敷居にV字のレールを埋め込み真っすぐ引ける様になっています。
引き戸同様に、戸車に髪の毛・ゴミが付着する事が多く、動きが悪くなる場合があります。

音の問題
鴨居に襖の上部が入り込んでいる事が多く、襖同様、玄関・リビング扉が開くと、「ガタガタガタ」と音が鳴る事があります。
鴨居溝の幅と、戸襖上部の寸法に余裕があると、戸襖が振れ音鳴りする場合もあります。
手で戸襖を持ちゆすって、よく揺れる様であれば隙間が多きい場合、戸襖を外してから上部凸の部分に「敷居滑り」を貼って下さい。
「敷居滑り」は、テープで取り付ける形となるので、捲れる可能性もあるので取れない様に工夫が必要かもしれません。

戸襖はあまり反る事が少なく(たまに反る場合もあり)、扉同士、帆立にする事は少ないです。


次回は、エレベーターから進めていきます。