今回は、第23条(分離処分の無効の主張の制限)から進めて行きます。

(分離処分の無効の主張の制限)

第二十三条 前条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の①規定に違反する専有部分又は敷地利用権の処分については、その無効を善意の相手方に主張することができない。ただし、②不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)の定めるところにより分離して処分することができない専有部分及び敷地利用権であることを登記した後に、その処分がされたときは、この限りでない。


①規定に違反する専有部分又は敷地利用権の処分については、その無効を善意の相手方に主張することができない。

まず、どちら側から話しているかにより、話が変わってきます。
区分所有者側(抵当権者)の話となります。
それを踏まえて文章を読んでいくと、
敷地利用権ノミに抵当権・所有者となる場合(抵当権設定者 分かりやすく以降は 第三者)、第三者が善意(知らない)の場合、「契約は有効ですよ。」と主張できる。となり、第三者の権利を守る必要があると言う事です。
善意と記載があるので、善意無過失(まったく知らない)・善意有過失(注意を払ったらわかった)も同様と言う事です。
第三者が悪意(知っている)の場合は、相手方を守る必要がなく、無効を主張できる。
もちろん、抵当権者が悪意(知っている)場合は、第三者の契約を守る必要があります。


②不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)の定めるところにより分離して処分することができない専有部分及び敷地利用権であることを登記した後に、その処分がされたときは、この限りでない。

不動産登記法
第六章 筆界特定
第一節 総則
(定義)

第百二十三条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 筆界 表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。
二 筆界特定 一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること(その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定すること)をいう。
三 対象土地 筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう。
四 関係土地 対象土地以外の土地(表題登記がない土地を含む。)であって、筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地の一方又は双方と接するものをいう。
五 所有権登記名義人等 所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、表題登記がない土地にあっては所有者をいい、所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。
しかし、専有部分と敷地権が分離処分でないと、不動産登記された後に、敷地権ノミに抵当権・売却の相手方(売った側)が善意でも守られない事となります。

太字部分が全てです。
従って、相手方が善意でも、不動産登記簿に分割禁止とされた後に契約された場合、第三者を守る必要がない。事となります。


次回は、第24条(民法第二百五十五条の適用除外)から進めて行きます。