今回は、区分所有法 第11条(共用部分の共有関係)その2から進めて行きます。

第11条( 共用部分の共有関係)その1 はこちらから。

第二節 共用部分等
(共用部分の共有関係)
第十一条 共用部分は、①区分所有者全員の共有に属する。ただし、②一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。
2 前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。ただし、④第二十七条第一項の場合を除いて⑤区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできない。
3 ⑥民法第百七十七条の規定は、共用部分には適用しない。


規約で別段の定め

規約に定める事により、
区分所有者全員の共有に属さなくてもいい。
一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共用に属さなくてもいい。
と規約で定める事が出来るのでしょうか。
一部共用部分は、規約による共用部分へ入れるのは分かりますが、区分所有者全員の共有に属さなくてもいい。事に出来るのは、
管理者が悪意で、集会を開催した場合、「一般区分所有者は対抗しろ。」「分かる様になれ。」と言う事でしょうか。
解釈を間違い、規約への定めは、後々問題が出てくるのでは無いでしょうか。
私が勉強していた時は、「法律に別段の定めがあれば」となっていましたが、「規約に別段の定めがあれば」に改定されています。
区分所有法第4条で、・・・・・区分所有権の目的とならないものとする。
2項で、・・・・・・・規約により共用部分とすることができる。この場合には、その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
第15条(共用部分の持分の処分)で、共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従う
2 共有者は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分と分離して持分を処分することができない

上記の条文があるから、仮に善意有過失・悪意の場合、共用部分を売却したとしても、売却できる部分ではない(法定共用部分の場合、登記簿にも記載されない事から。)ので、最終的に無くなる事は無い事から大丈夫なのでしょうか。
悪意を持って、規約に別段の定めをする人物が出てこない事を願います。

また、悪い事だけでなく、管理を円滑に運営する為に、利便性を考え(権利なき社団でも契約事は出来ますが)管理者を所有者として決め管理を円滑にさせる事ができます。

管理所有するには規約に別段の定めが必要ですが、区分所有者数・議決件数の各3/4以上で決議されれば、規約の変更が出来ます。
全員の同意と、区分所有者数・議決件数の各3/4以上で決議と、規約の定め、はどの様に違うのでしょうか。

全員の同意

集会の招集手続きをしないで決められる唯一の方法です。

決議と同様の効力があります。

区分所有者数・議決件数の各3/4以上(特別決議)

重要案件を決める際には、上記以上で決議しなければいけない。

改めて、第17条(共用部分の変更)第31条(規約の設定、変更及び廃止)でお話させていただきます。

 

規約の定め

規約に記載されれば、将来に渡ってマンションのルールとなります。

規約で定める事で、規則として将来に渡って継続性が生まれます。

 

各マンションには、管理規約と使用細則の二つがあると思いますが、

管理規約で「する」「しない」の判断をする。

使用細則で、どの様に運用するかを、ルールを作り明確に分かりやすくする。


④第二十七条第一項の場合を除いて

(管理所有)
第二十七条 管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
2 第六条第二項及び第二十条の規定は、前項の場合に準用する。

管理所有とは
管理をする為の所有と言う意味であり、専有部分と共用部分とを分離させて、売却できる事ではありません。
規約に別段の定め(区分所有者数・議決件数の各3/4以上が必要)があれば、
区分所有者・外部の人間でも管理者として就任・解任が出来ます。
管理者の指定は、第25条(選任及び解任)で改めてお話しさせていただきます。

区分所有者と、管理者となった人以外は、

 


⑤区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできない。

共用部分の所有者と定めることはできない。

管理者となった人と、区分所有者以外は、共有部分の所有者と定めることはできないとなります。

 


次回の土曜日は、区分所有法 第11条(共用部分の共有関係)その3から進めて行きたいと思います。