今回は、第20条(管理所有者の権限)その2 から進めて行きます。

第20条(管理所有者の権限)その1 はこちらから。

(管理所有者の権限)
第二十条 第十一条第二項の規定により①規約で共用部分の所有者と定められた区分所有者は②区分所有者全員(一部共用部分については、これを共用すべき区分所有者)のために③その共用部分を管理する義務を負う。この場合には、それらの④区分所有者に対し相当な管理費用を請求することができる。
2 前項の共用部分の所有者は、⑥第十七条第一項に規定する共用部分の変更をすることができない


⑥第十七条第一項に規定する共用部分の変更をすることができない

第十七条 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。

条文そのままになりますが、
共用部分の変更は、「集会決議 区分所有者数・議決件数 各3/4以上」が必要 
※区分所有者数の定数は、規約で過半数まで減じれる。
となります。

管理者が勝手に、共用部分の変更を出来ない様になっています。
共用部分の変更は、各区分所有者に取って重要な事柄となるので、各区分所有者に審判を仰ぐ必要がある為の規定です。

区分所有法では、最低限守ってもらわないといけない内容が記載されています。
また、各マンションには、立地・構造・使用方法により、各マンションにあった管理規約・使用細則が存在している事と思います。
各マンションでは、マンション管理規約・使用細則が優先(その部分が区分所有法と抵触する部分は区分所有法優先)し、マンション管理規約・使用細則が大切となります。

裁判でも、管理規約・使用細則がどの様に記載しているかが、大きな争点でもあり大変重要です。
各マンション管理規約は、国土交通省の標準管理規約(単棟型・複合用途型・団地型)を基準に作られている事でしょう。
使用細則については、NPO法人全国マンション管理組合連合会の中高層共同住宅使用細則モデルを基準に作られている事でしょう。
見合った管理規約・使用細則になっているかは、各区分所有者・その他が(案)を出し、精査する事で、「追加する」「削除する」を判断し、集会に上程し、審議を行い規約(区分所有者数・議決件数の各3/4以上必要※区分所有者数は規約で過半数まで減じれる)・使用細則(区分所有者数・議決件数の過半数以上必要)を変更して行きます。
近年、全国的にニュースになっている事故・事件等は、判断材料になるのでご参考に。
マンションの住民が快適に、共通ルールを守り、住む為には必要な事となります。


次回の土曜日は、第21条(共用部分に関する規定の準用)から進めて行きます。